

#180「すゞしさや鐘を離るゝ鐘の声」“Yosa Buson, Poet Master of drawing space”
Poetry Masters of Edo Matsuo Basho drawing time and Yosa Buson drawing space すゞしさや鐘を離るゝ鐘の声 与謝蕪村 (すずしさや かねをはなるる かねのこえ) よさ・ぶそん 与謝蕪村は江戸時代中期に活躍した俳人・文人画家で、松尾芭蕉・小林一茶とともに「江戸の三大俳人」に数えられた人物です。画の才能も素晴らしく、俳諧(はいかい)と画を融合させた「俳画」の創始者でもあります。 宇宙物理学者 佐治春夫先生は著作の中で、芭蕉は、深まりをつくる「時間的作家」、蕪村はひろがりをつくる「空間的作家」とご紹介されております。 本日は僕にとってみれば、これこそ空間音楽の始祖ともいうべき与謝蕪村の一句をご紹介させていただきます。 す 夏の夜明けの透明さ ゞ し 涼しい空気を肌に感じていると さ や お寺の鐘が鳴る 鐘 を 鐘の音は、巨大な鐘そのものの中で反響し 離 る 大きな音の塊となって空間に解き放たれていく ゝ 鐘 夜明けの光の訪れを祝い祈る空間の音楽 の 声 そしてその音の消えていく


#179「松尾芭蕉と縦書きの魔法」“Basho`s Magic of vertical writing”
Improvisation Spring Basho`s Vertical Writing -spacing of each vowel and syllable 縦書きの魔法 松尾芭蕉 Basho`s Magic of vertical writing 草 いろ/\ おの/\ 花の手柄かな 松尾芭蕉 松尾芭蕉と縦書きの魔法 縦書きと横書き。よく時間軸を横、空間や物量を縦にするというグラフを見ます。 日本語は元来、縦書きで表現されてきました。 横書きにして読むと、流れてしまう文章を 改めて縦書きにしてみると、いろいろ、おのおのとくり返す音で、 幾重にも重ねられたレイヤーのような…想像の空間が生まれます。 その中で視点を重ね合わせる技 それぞれの観点がありながらも共通の感嘆の想いを分かちあう一句。 Basho`s Magic of vertical writing Basho`s magic of the space between the vertical letters/writings Freely seeing in a most per


#178「ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡-“ 宇宙の1番地“ 」“ NASA's James Webb Space Telescope"1st Avenue of Universe”
Improvisation, 天文学の歴史的瞬間Historical moment in astronomy. July 12th, 2022 宇宙の1番地 NASAのジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡の画像が公開され 天文学の歴史的瞬間を迎えた今週。果てしない距離の星雲、深宇宙が鮮明に脳裏に映ると、無限な宇宙は今の私の中にある感覚になります。 宇宙で一番はじめに輝いたファーストスターを探すミッション。 生命の原点となる星々のカケラの最初の星。私達の由来として見上げて話しかることができたら素敵ですね。 人間はちっぽけだけれど、宇宙の果てまで届く想像力を追い求め、開発される科学と技術に心打たれます。ふと、パスカルの名言「人間は考える葦である」を思い出しました。私達は「好奇心を主軸とした考える葦である」のかもしれませんね。 IMD, JP The 1st Avenue of Universe” NASA's James Webb Space Telescope's first images mark a historical moment in astr


#177「日本に吹く2000の風達」“The 2000 winds of Japan”
Improvisation, Literacy of the Winds served Farming. 農村を守る 風のリテラシー 春 Spring 日本に吹く2000の風達 日本では風の名前が2000以上あるそうです。 季節の変わり目を知らせる風は、漁や農業そして気候の予報としても役にたつものと思われます。 梅雨の最中の黒い雲から、白く眩しい夏の空に変わりやってくる熱い風、白南風(しろはえ)が訪れ、本格的な夏をは温風至(あつかぜいたる)湿度の高い、熱い風の夏ですね。 他の風をいくつかご紹介します。 梅雨に吹く黒南風(くろはえ)、南から吹く南風(はえ)、急に吹き出す激しい夏の風は夏疾風(なつはやて)、青葉の間を吹き抜ける東からの風を青田風(あおごち)… 変化する自然の風を名づけるほど、生活を図る中、風の観察が重視されていたからことでしょう。名前をもらった2000以上の風達は今も世界中に吹いていることでしょう。 IMD, JP The 2000 winds of Japan There are more than 2000 names for d